金融機関を使うときの「3つの禁じ手」とは?
窓口の相談料はゼロでも
働く女性を対象としたあるアンケート調査に印象深いものがありました。「お金の相談をする相手は?」という質問に対して一番は予想通り「親」でしたが、驚いたのは「金融機関の窓口の人」が同率1位だったことです。「金融機関で相談すると商品を売り込まれるから心配」という声を聞くので意外と思う一方で何となく分かるような気もしました。
他の選択肢に「FP」というのもありましたが、お金について学びたいという状態のときに有料でのコンサルティングはハードルが高いと感じるのでしょう。それにネットで検索するとFP事務所はたくさん出てくるけれど、その中からどのように選んだらいいのか迷いますしね(よく言われます)。友達は「相談の相手にはちょっと・・・」と二の足を踏みます。
というわけで、何を聞いてもOKで専門知識がある人となると、金融機関の窓口となるのでしょう。しかも相談料は無料です。最近は平日夜や週末に相談会を開いている銀行も増えていますから、いつか行ってみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。でも、上手に利用するにはコツがあります。それでは「金融機関の窓口と上手に付き合う法」を伝授しましょう。
「してはいけない3ヵ条」を覚える
これだけはしてはいけない「禁じ手3ヵ条」を覚えておきましょう。禁じ手その1は、金融機関で「私に合った商品を選んでください」と言うことです。売り手に商品を選んでもらうのではなく、自分が欲しい商品を売っている金融機関に出向きましょう。このスタンスが大事です。
「自分に合った商品を選んでほしい」というのは、実は難しいリクエストなのです。金融商品は属性だけで選ぶものではなく、相性も大事だからです。私もしばらく保有してから「ああ、自分に向いていなかったな」と思うことが少なくありません。
また、売り手にとっても、カウンター越しに初めて会った顧客にピッタリの商品を1時間程度で選ぶことは至難の技でしょう。結局「売れ筋の商品」を勧められることになるのです。自分で買いたい商品を選べるくらいの事前勉強は必要ということですね。
ですから、禁じ手その2は「知識ゼロで相談に臨むこと」です。説明を受けた情報が自分に有益なものかどうかを判断できるようになると「こんなはずではなかった」と後悔することもありません。
「そうはいっても、お金の勉強ってどうすればいいの?」という皆さんの声が聞こえてきそうです。目と耳の両方使って勉強してみてください。つまりビギナー向けの単行本や新聞を「目を使って」読む「耳を使って」セミナーで知識を得る、どちらも効果がありますよ。
金融機関主催のセミナーも数多く開催されています。最近は「帰りがけに口座開設の勧誘」なんて荒技をする会社は殆どありませんから心配ありません。ただし、中立情報を提供している会社かどうかチェックする冷静さは必要です。
禁じ手3つ目は「女性向きにこだわること」です。金融商品において「女性向け」は意味をなしません。その証拠に「男性向け」と銘打った金融商品はありません。
「女性向け」と銘打つと売れるというマーケティングの結果なのです。ターゲットにされている自覚を持って「女性向け」のフィルターを外すことができると商品選びの選択肢がグッと広がることでしょう。
金融機関は、持っている商品の中でしか提案はできません。こうした「売り手の限界」を知ったうえで、情報やサービスの提供を受けるように心がけるといいですね。